🚌 上島町人権・同和教育推進事業3年生現地研修

2024年7月3日 08時07分

 上島町教育委員会の主催により、岡山県瀬戸内市の国立療養所長島愛生園に上島町内の3中学校の3年生が現地研修を行いました。同行した者として、直接見聞したことでお伝えしたいことはたくさんあるのですが、2つだけ紹介させてもらえたらと思います。

 その前に、施設は昭和5年にハンセン病療養所として設立されましたが、実態は「らい予防法」施行のためのハンセン病患者の強制隔離でした。この法律は66年後に廃止されて、隔離のための施設ではなくなったそうです。さらに5年後、法の違憲国家賠償請求が認められ、全入所者への補償等が約束されました。

 さて、当日施設内の説明をしていただいた学芸員さんから中学生に、「残念ながら外国にはまだハンセン病患者は存在するが、今は完治する薬も開発されている。日本にはハンセン病患者は一人もいない。今もなおこの島で生活されている方々は、ハンセン病に感染し治療が遅れてしまったことで、後遺症が残ってしまい、手足や皮膚の感覚が不自由な障がい者であって、ハンセン病の患者ではない」と強く訴えられていました。説明の結びには「差別をなくすためには、関心を持つことと正しい知識を深めることが大切です。」とのメッセージを伝えていただきました。午後からの、ハンセン病の後遺症により今も居住区で生活されている語り部さんからも、当時とそして今のお気持ちなどのお話をお聞きすることができました。百聞は一見にしかずという言葉もありますが、上島町30名の中学3年生にとって、貴重な1日体験となりました。

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